常識を疑え!スクワットの時、膝はつま先より前に出せ!

足元からあなたの健康を支えるトレーナー、石田です。

スクワットの時は、つま先より前に膝を出すな!と言われたことがありませんか?

私がトレーナーの専門学校に通っているときも何度か言われたことがあります。

…が、私はつま先から膝を出してスクワットを行うように指導しています。

 

全身の筋肉をバランスよく鍛えるだけでなく、怪我をさせずにスクワットで追い込むためにも、膝はつま先から出します

 

えっ危ないんじゃないの??そう思いますよね。それが違うんです!

 

 

膝痛・腰痛の方はもちろん、姿勢が気になる方はぜひスクワットを!

今日はみらいクリニックでもオススメしている、スクワットについて日本一のスクワットオタク(自称)の石田が書いていきます。

ぜひ、最後までお付き合いください。

 

膝はつま先より出すな!の理由

「膝をつま先より前に出すと、膝への負荷が高くなり痛めてしまう可能性がある」

この考えは、1972年にマサチューセッツ大学(University of Massachusetts)から発表された論文が元になっていると言われています。

Ariel BG. Biomechanical analysis of the knee joint during deep knee bends with heavy loads. In: Nelson R, Morehouse C, editors. Biomechanics IV. Baltimore: University Park Press; 1972.

しかし、この論文は被験者が3名しかおらずデータとしての信頼度は低いと言わざるをえません。

 

実際に、2013年にゲーテ大学が発表した論文でも「研究結果として引用すべきではない」と否定されています。

Hartmann H, et al. Analysis of the load on the knee joint and vertebral column with changes in squatting depth and weight load. Sports Med. 2013

 

また実際に、「膝を出さないスクワット」と「膝を出すスクワット」でどちらが膝や腰に負担がかかるかを調べた論文もあります。

 

「膝を出さないスクワット」では、股関節や膝だけでなく腰にも高い負荷がかかると結論が出ていて、「膝をつま先より前に出すな!という指導は行うべきではない」と警告しています。

いいですか、大事なところですからもう一度書いておきます。

 

「膝をつま先より前に出すな!という指導は行うべきではない」

 

 

Fry AC, et al. Effect of knee position on hip and knee torques during the barbell squat. J Strength Cond Res. 2003

List R, et al. Kinematics of the trunk and the lower extremities during restricted and unrestricted squats. J Strength Cond Res. 2013

 

…ですがスポーツ現場では、未だに古い論文を信じて「膝は前に出すな!」と指導している方もいらっしゃいます。

 

膝を出さないスクワットは、結果が出ないだけではなくケガのリスクも高くなります。

安全にスクワットを行うためには、膝を出してスクワットを行ってください!

これまでの常識が絶対!ではありません。

 

足裏全体に体重を乗せる!

 

スクワットは難しいトレーニングと思われますよね?

実はそんなことはありません。

簡単に言うと、椅子に座って立ち上がる動きなんです。

なので、椅子に座って立ち上がれるのであれば誰にでもできます!

 

スクワットの前に椅子から立ち上がる動きを考えてみます。

下図のように、膝がつま先より後ろにある状態で椅子から立ち上がってみてください。

もの凄く立ちづらいですよね?

それに腿や腰の筋肉が疲れませんか?

 

では、今度は膝をつま先より前に出して立ち上がってみてください。

こちらの方がスムーズに立ち上がれますよね!

それに、腿や腰の筋肉に負担もかかりません。

つまり、ケガのリスクが低いフォームなんです。

これを体験するだけでも、膝を前に出していいんだ!と理解できると思います。

トレーニングの前に、ぜひ体験してみてください。

 

これができれば、ほぼスクワットのフォームは完成です。

あとは足裏全体に体重をのせることを意識して行ってください。

足裏全体に体重がのっていると、足指は伸びたまましっかりと地面を押さえることができます。

足裏のバランスが崩れてしまうと、下図のように屈み指や浮指になってしまいます。

足指が上手く使えないと安定したスクワットはできませんし、怪我のリスクも高くなってしまいます。

しっかりと足裏全体に体重をのせて行ってください。

 

そのためにも、「ゆびのば体操」「ゆびのばソックス」ですよ!

足指が使えないと正しいスクワットはできません!

https://mirai-iryou.com/yubinoba/

スクワットの主な効果

・ヒップアップ

スクワットは主に股関節周りの筋肉を鍛えることができます!

なので、しっかりとしたフォームでできればヒップアップトレーニングとして最適です!

お尻がキュッとあがることで美脚効果もあります。

美しさを求めるならスクワットをやらない理由がありません。

 

・腰痛&膝痛改善

スクワットをすると膝や腰を痛める…というのは、上記のフォームができていないからです。

痛みと姿勢の外来では、診察時にスクワットのフォームを指導も行っています。

正しい身体の使い方をマスターできれば関節に負担は軽くなりますし、スクワットは足指のトレーニングにもつながります。

 

・姿勢矯正

スクワットは足指のトレーニングにもなります。

スクワットが上手にできるようになると、足元から姿勢が変わっていきます!

無理に作った姿勢ではなく、自然とスッと立てるようになっていきます。

姿勢が気になる方、ぜひスクワットを!

スクワットの指導はお任せください

痛みと姿勢の外来主任・フレイル外来トレーナー:石田 力(いしだ ちから)

「フレイル外来」だけでなく、「痛みと姿勢の外来」での指導経験をもとに、「足元からあなたの健康を支えるトレーナー」として活動中。

健康づくりだけでなく、ダイエットや競技スポーツの指導も行っている。

足元の健康づくりのための「足育」

何歳になっても歩くための「運動」

その両輪であなたをサポートいたします。

スクワット指導はお任せください!

執筆・監修 内科医 今井一彰プロフィール

今井 一彰
みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医
1995年 山口大学医学部卒業 救急医学講座入局
2006年 みらいクリニック開業
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
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